改めて遠いところ足を運んでいただきありがとうございました。
差し入れいただいた皆様、ありがとうございました。
今回のお芝居、観客席の皆様はどうでしたか?刺激的だったでしょうか?感情揺さぶられましたか?
自分自身、寺山作品には殆ど興味がないので、彼の作品にはなんの思い入れもないのですが、相方の作る寺山コラージュには毎回大いに心惹かれるモノがあります。そして三回目の公演にして、芝居全体の世界観がすっかり森島の世界観になったように感じています。だから益々面白い。毎週定期的にやってきた「開かれた稽古場」での感情訓練。生身の人間から溢れ出す感情は「観ているこちらがもの凄くエネルギーを使う」と事あるごとに書いてきました。俺が感じたその感覚、観ていただいた方々にもお判り頂けたのではないでしょうか。
例えば自分の周りで起こる喧嘩とか争い事。そう言うのって自分に関係無い事でも凄く感情掻き乱される。嬉しいこと楽しいことよりも、悲しいことや怒りは凄くエネルギーを使う。人間って感情のある生き物だから。その感情を演技に昇華させ、時に寺山の言葉を借りて観客席に伝えていく。ストーリーではなくそれぞれの役の感情を観客席のそれぞれのお客様が何かを感じ取る。そんな空間でした。
今回の公演中俺の友人達から一番多かった質問。
「調整室ってどこにあったんですか?」
ライブも含め普通の公演だったらですね、客席の一番後ろっかわに煌々と明かりをつけて鎮座してるんですけどね。劇場であれば二階とか三階の客席の後ろとか。
今回の劇場、お越しいただいた方はお判りかと思うんですが、劇場の入り口の真上。そこに調整室がありました。普段はガラスの窓があるんで一目瞭然なんですが、それを外して紗幕を全面に張ったうえに黒幕で最小限の覗けるスペース(幅30センチ高さ20センチくらい)だけ残して塞ぎました。と言うのも、うちの芝居は暗転命なんですね。徹底的に暗転に拘る。ですから、機材もLEDの光り物も全てテープで塞いでしまう。手元明かりも当然57のゼラを三枚重ね。尚かつド暗転の時には手元明かりも消すという徹底ぶり。ミキサーを操るフェーダー操作に「手元明かりを消す」というもう一手(笑)が随所に入るわけです。それも音を出すタイミングとかぶってることも多い。これが意外にね、大変なんです。蓄光テープをミキサーに張っても光を溜める時間がないから光りゃしない。テープを貼った突起でフェーダーやつまみを探る。まさに点字状態。出し音とレベルだけ台本に蛍光ペンで書いて何とかブルーの明かりに照らされる文字をみて確認。きっかけもたいへんだがこの暗闇が一番手強かったりするのである。
因みに手元明かり最大限にして客入れ中に撮った画像がこちら。
右にうっすら見えるのが台本。不思議と開演して暫くすると何となく見えてくるようになります。
調整室明るくして撮ったCDデッキ関係と舞台裏のアンプラックの画像はこんな感じですね。
全て電源入っている状態です。時間表示部分は見えないと困るのでこちらもゼラ貼り付け、他のLED部分は全部テープで潰し。ココまでやらないと暗転した時に客席から観た舞台裏が「ぼわ〜」っと明るくなったりするんですね。ほんと、演出(相方)は暗転にトコトン拘るので舞台裏は大変です。でも、公演三回目にして既にこれが楽しみになっている自分も居ます。(笑)
音出しのシステム的には旗揚げ公演から使用しているBOSE 502が二対向にJBL SRX-700を二発。客席下にBose101を仕込んだ。ワイヤレスは3波。劇中曲での歌のバランスに久しぶりに苦戦した。どうすれば演出の望むことが出来るのか。なんとか納得できるところまでいけたとは思うが大きな課題が残った感じ。正直悔しい。つくづく芝居音響の難しさを感じたのだ。
調整室横の小窓から劇場を見下ろす。
バラして打ち上げやって朝方帰って所沢まで機材の返却。あとは家の機材の整理だな。名残惜しいが今年の公演はこれでお終い。はてさて来年はどんなお芝居になるのやら。もう今から楽しみなのである。