「向日葵の柩」 作 柳美里 演出 金守珍 主演 山口馬木也@新国立劇場 小ホール
たかだか芝居歴10年の俺が言っちゃいけないんだろうが、本も役者も中身のない芝居ばかり世に氾濫しているお陰で、最近では相方に誘われて劇場に向かう足もついつい重くなりがち。余程の事がなければ芝居を観に行くのを拒否している。勿論観に行かなければ良いか悪いかは判らないのだけれど、少なくとも自分が信じられる人(家族か数人の先輩達)の勧めがなければ行く気にならない。だって、時間を無駄にしたくないんだもの。
そんな今日この頃なのでこの芝居も華麗にスルーしようと思ったんだが、家族が先週観に行って「素晴らしいから見てきなさい」と興奮して言う。最初は断ったんだが「コレ見ないと一生後悔する」と言う。そこまで言われたら観に行かねばなるまい。
久しぶりに、「舞台でやる必然」を感じるいい芝居だった。特に主演の山口馬木也さんの「感情のあふれ出る芝居」に鳥肌。演出に、照明に、音に、舞台美術に、本に感動。どうしようもないやりきれなさ、心の葛藤。切なくて切なくて涙が出る。昨今良くある上辺だけのお涙頂戴ホームドラマでは無い。ベタな所や、「なんで?」って所もあるんだが、そんな事すら気にならないようないい芝居だった。最後の舞台装置、圧巻だったなぁ。ほんとうに、観て良かった。終生忘れられない芝居になるだろう。
2008年度PA仕事納め
ポメラニアンズでの純粋な単独公演は今回が初めて。何たってレコ発ですら対バン有りだったわけで。小さい小屋だったがかなり納得いくまでリハーサルが出来て良かったです。
お客さんも大勢来ていただき感謝感謝。LIVE自体は自分が関わりだしてから見れば随分と進化していて、やっとココまで来れたという感じは強い。が、それは変化を見ている自分にだから判る事であって、その過程を見ていないお客様には全然関係ない話なわけで、やっぱり手厳しい意見も色々戴いた。その辺りはやっている本人達も勿論自分も判っているのでコツコツと改善している訳なんだが、ある程度までの進歩は早くてもそこから先は亀の歩みになると言う事かな。自分も含めもっともっと精進せにゃあきまへん。と言う事が良く分かったライブだった。
このユニットになってから初めて全員の力で作り上げた楽曲「からっぽフレイバー」はMFSBのガラージュアンセム「Love is the Message」からトラックを戴き。人力バンドでどこまでHIPHOPのLOOP感と生バンドのGroove感を出せるか、そしてDJ Hollywood的なRap感を出せるかが肝だったのだが、それらを全てクリア。更に磨きをかけたいところ。
自分的にも今回は色々と新しい試みをやってみた。何度もリハーサルでやっても、実際に現場に入って音出ししてみないと判らない事一杯。良いところもあれば駄目なところもあり。でもやってみなけりゃ判らないからな。やるべき事はまだてんこ盛り。駄目なところは改善し次(来年)に繋げるべ。
いとうせいこう&ポメラニアンズ≡、来年も応援宜しくお願いします!
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